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銅線被覆の種類PEWとAIW

コイル設計において「どの線(丸線・平角線)」を選ぶかの次は、

その「皮膜(絶縁材料)」の選定が重要になります。

もっとも一般的なPEW(ポリエステル銅線)と、高性能なAIW(ポリアミドイミド銅線)は、

いわば「標準グレード」と「ハイエンドグレード」の関係です。それぞれの特性を整理しました。

1. PEW (ポリエステル銅線)

もっとも普及しているエナメル線で、

コストと性能のバランスに優れています。

特徴

  • 汎用性の高さ:
    入手が容易で、サイズ展開も非常に豊富です。

  • 電気的特性:
    一般的な電子機器や小型モーターには十分な絶縁性能を持っています。
     

注意点

  • 熱への弱さ:
    高温多湿の環境下で長時間使用すると、皮膜が劣化する「加水分解」を
    起こすことがあります。
     

  • 過酷な環境には不向き:
    化学薬品や溶剤にさらされる環境では、皮膜が膨張したり剥がれたりする
    リスクがあります。

2. AIW (ポリアミドイミド銅線)

過酷な環境下でも絶縁性能を維持できる、

最強クラスの絶縁皮膜です。

特徴

  • 圧倒的な耐熱性:
    200℃を超える高温環境下でも特性が劣化しません。
    大電流を流して発熱が大きくなる高性能リアクトルや、小型化を極めた
    高密度コイルに必須の材料です。

  • キズに強い:
    皮膜が非常に硬いため、自動巻線機で強いテンションをかけて巻く際や、
    平角線をエッジワイズ巻きにする際の「皮膜の破れ」が起きにくいのがメリットです。

  • 耐薬品性:

      溶剤や油、冷却材(フレオンなど)に対しても非常に強く、車載用や産業用の
  特殊環境でも安心して使用できます。

​注意点

  • コストと加工:
    材料費が高く、また皮膜が硬いため、はんだ付けの際に皮膜を剥離する処理
    (メカニカルストリップなど)に手間がかかる場合があります。

選定のポイント:どちらを使うべき?

  • PEWを選ぶ場合:

    • コストを抑えたい民生用機器。

    • 動作温度がそれほど高くならず、
      湿度の管理ができる環境。
       

  • AIWを選ぶ場合:

    • 小型・高出力リアクトルを設計する場合。

    • 振動が激しい、あるいは高温になる
      モーターやインバータ周辺部品。

    • 平角線を使用して、巻線工程での
      皮膜ダメージを最小限に抑えたい場合。

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